中国最大のオンラインカジノ業者500.comどんな会社?
中国最大のオンラインカジノ業者500.comどんな会社なのか?オンラインカジノファンの一人としてとても興味があるので調べてみました。
中国最大のオンラインカジノ業者500.comどんな会社なのか?
500.com3つの事業部門
500.comはスポーツくじの事業を中核とする会社として1999年にスタートしました。
また、カジノで借金を作った中国人の債権を回収する業務と欧州の国々をメインにオンラインカジノも運営しています。
3つの事業が柱となっている。
- スポーツくじ事業
- カジノの債権回収事業
- オンラインカジノ事業
スポーツくじ事業とは

設立当初はサッカーくじ関連のソフトウェアを製造・販売する会社でしたが、中国国内のインターネットの発展により宝くじのオンライン販売事業にも進出しました。
その後、中国当局より民間企業で唯一のオンラインスポーツくじ代理販売業者の許認可取得しました。
これにより中国国内で爆発的な人気で右肩上がりの売上げを築き、NYで株式上場するまでに至ります。
しかし、その後 サッカーW杯期間に中国国内のネットでの不正賭博の横行を取り締まるために中国当局によるオンライン宝くじの販売禁止令により、スポーツクジ事業が壊滅的な状態になりました。
中国本土で唯一、合法賭博とされるのはオンラインくじで、当局はくじの販売を2社に限定しました。
500.comともう1社は国営企業です。
カジノの債権回収事業とは

ランドカジノの場合は、高利貸しやロレックスなど高級時計を質入れする質屋とセットになっている場合が多いです。
カジノは、その国の定める規定によって会計処理するように義務づけられています。
そして、カジノの未回収の債権は、カジノ債権回収課で専門に扱います。
カジノ債権回収課は、発生から30~45日を過ぎたマーカー未償還分の回収を専門に行う部署です。カジノ債権回収課はメールや電話による催促や公式な督促を行いますが、それ以上の回収行為は外部の専門業者に委託するケースが一般的です。
引用元:カジノIRジャパン
500.comはカジノの債権回収の専門業者として、自らのネットワークを使って債権の回収をしてます。
オンカジが事業収益の90%以上

2017年にTMGというマルタの会社を買収してカジノ事業に参入しました。
TMGはヨーロッパに拠点を置き、北欧、ドイツ、イギリスなどの顧客を対象にオンラインのカジノを運営しています。
2018年には、中国でのサッカーくじの発行元である国家体彩中心と業務提携の契約を結びました。
この提携により、主力事業だったサッカーくじ復活を目指しているようですが、売上は今一歩という感じのようです。
2019年第3四半期の純収益は、欧州のオンラインくじ販売と、オンラインカジノの収益が大半で、総収益の94.9%を占めています。
【年表】500.com設立から現在まで

設立から現在までの流れを年表形式でまとめて見ました。
- 2001年:設立
※当初はサッカーくじ関連のソフトウェアを製造・販売する会社としてスタートしたが、中国国内のインターネットの発展により宝くじのオンライン販売事業にも進出した。 - 2012年:許認可取得
中国当局より民間企業で唯一のオンラインスポーツくじ代理販売業者の許認可取得により中国国内で爆発的な人気を得る。 - 2013年:ニューヨーク証券取引所に上場
上場後、数ヶ月だけで株価が初日価格の3倍近くになった。 - 2014年:第2四半期の売上高は20.93億人民元(約336億円)
深圳市でテンセントに次ぐ2位のインターネット企業へ成長する。 - 2014年: 中国当局によるオンライン宝くじの販売禁止令
サッカーW杯期間に中国国内のネットでの不正賭博の横行による。 - 2015年:主要業務停止により、米国の証券取引法に違反する疑い
株価も暴落、弁護士事務所の調査を受ける。 - 2015年:清華紫光集団が1.24億ドルで筆頭株主へ
紫光国際とは清華大学が経営する半導体関連企業グループ。 - 2018年:累計8.44億人民元(135.5億円)の赤字
紫光国際グループに参入するも業績は向上しない。 - 2019年:日本国内のIR事業に参入を計画
同社の日本法人が数人の衆議院議員に利益供与をした疑惑があった。
ファーウェイに並ぶ中国国有企業が買収

2015年ファーウェイとも肩を並べる、中国国有のIT複合企業・清華紫光集団は、1億2400万ドル(約150億円)で500.comの株30%を取得し、筆頭株主となりました。
実質的に会社支配をしており、500.com会長職も親会社から送られて来たよです。
日本ではあまり聞いたことがない中国国有のIT複合企業の清華紫光集団とはどんな会社なんでしょうか。
清華紫光集団グループとは
清華紫光集団グループとは、清華大学が経営する半導体関連企業グループであり、ソリューションサービスの清華同方、ケミカルの清華誠志などとともに清華グループの中核をなす。
引用元:WIKI
清華大学の卒業生には、錦濤前国家主席、習近平国家主席など中央省庁の大臣、高級官僚、軍幹部 政府の要職についてる政治家を多数輩出してます。
このように特別な存在の彼らのエリート意識の結びつきは、だから強い。質の高い教育が育てた愛校心は、団結して国家建設にむかう。海外に散った赤い人材も、いざとなれば母国への求心力のもとに、結集させることもできる。
引用元: 千の天使がバスケットボールする
清華紫光集団は、中国共産党が経済発展を目指すための国策企業として有名です。

清華大グループである清華紫光集団は半導体、AI、ビッグデータ、監視技術などを開発しています。
中国政府が支援して、外国から半導体技術を移転する取り組みの先頭に立つ企業です。
10年売上0でもつぶれない宣言
清華紫光集団が筆頭株主になってからも売上げは伸びておらず一部株主から不安視する声も上がっており、その不安を払拭する意味も含めて、500.comのサイトに、「10年売り上げなしでも生き残れる」と強気の記載をしていました。
また、2015年4月発表の同社プレスリリースには、「2014年12月31日時点で9億1420万元(約155億円)の現金を確保しているので、年間営業コストが8000万~9000万元でも、およそ10年間売上なしでも生き残れる」とあります。
この発言の裏にあるのは、中国国内の投資家のみならずNY株式に上場していることも含めた安心材料としての発言とみられてます。
なぜ買収したのか?
6,000万人のビックデーターの活用

この買収について、清華紫光集団の副総裁で500.com代表取締役の張永紅さんは、中国メディアの取材に対して、500.comの6,000万人を超えるユーザーデータを重要視したためだと述べています。
インターネットサービスを中国で運営する国内外の企業は、民間国営問わず、政府にデータを提供するよう義務付けいることからも6,000万人のデーターを所有する500.comの利用価値とても高いと考えと言えると思います。
マカオって潮時なの?!
中国の一国二制度はマカオ以外の香港や台湾ではうまくいっていません。
マカオの一国二制度がうまくいっている最大の理由がカジノにあります。
ところが、直近でマカオのカジノの売上げが伸び悩みをみせています。
2018年にはなんとか前年比を上回って日本円で約3兆7000億円の売上げになってましたが…。
2019年は低迷が続き、ピーク時の2013年の5兆円規模に比べるとかなり落ち込んでいるようです。
その背景にあるのがオンラインカジノの台頭です。
中国本土ではランドカジノもオンラインカジノもギャンブルは禁止されていますが、カジノの非合法の業者が多く存在しています。
「わざわざマカオまで行かなくてもスマホで出来るじゃ」と思う中国人が増えているのも容易に想像できます。
そうなると、今までウインウインの状況にあった中国とマカオのバランスが崩れるかも知れません。
そこへ、日本にもカジノが出来るとなれば北京からも近い日本へカジノやりに来る中国人も増え、マカオの売上げがもっと落ちるという可能性があります。
そうすると、台湾や香港と同じくマカオの人達も一国二制度に疑問を持ち立ち上がる可能性を中国政府は恐れているというシナリオです。
マカオカジノのコンセッション満期
マカオにおけるゲーミング・コンセッションの満期の到来が控えています。
コンセッション保有6社は、それぞれマカオ事業を喪失するリスクを抱えています。
その経営リスクをオフセットする意味でも、日本参入は重要となります。
コンセッション方式とは、ある特定の地理的範囲や事業範囲において、事業者が免許や契約によって独占的な営業権を与えられたうえで行われる事業の方式を指す。
引用元:WIKI
マカオでは、6事業者(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、それらは2020-2022年に満期を迎えることになります。
2017年にマカオ政府より、コンセッションを早期償還できる権利を得るので、仮に、コンセッションが維持されない場合、事業者は、営業権を失います。
さらに、すべての設備を対価なしに、マカオ政府に移管することが義務付けられていのです。
マカオ政府が全部持って行ってしまことになります。
「まさか、マカオ政府もそこまでしないでしょ!」と思われる方も多いと思いますが、マカオ政府の満期後の対応について「更新する」という表現から「新たな入札」という表現に変化が表れて来ています。
この”新たな入札”発言は、事業者を驚かせました。
これにより、事業者再募集・選定、入れ替えがあるかも知れないと可能性が出て来ました。
事業者別のコンセッションの満期日一覧は以下のとおりです。
【一覧表 】 コンセッション満期日
コンセッション 満期日 | 事業者 | 証券取引所 | カジノ施設数 | 獲得順 |
---|---|---|---|---|
2020年3/31 | SJM Holdings | 香港証券取引所 | 21 | 1 |
2020年3/31 | MGM China | 香港証券取引所 | 1 | 5(サブ) |
2022年6/26 | Wynn Macau | 香港証券取引所 | 2 | 2 |
2022年6/26 | Galaxy Entertainment | 香港証券取引所 | 6 | 3 |
2022年6/26 | Sands China | 香港証券取引所 | 5 | 4(サブ) |
2022年6/26 | Melco Resorts & Entertainment | NASDAQ | 4 | 6(サブ) |
引用元:カジノIRジャパン |
秋元議員出る杭は打たれたのか?!
逮捕のポイント
2016年9月に衆議院内閣委員長に就任しカジノ法の採決を強行して可決しました。
そして今回の逮捕のポイントとなったのが…。
2017年にIR担当の内閣府副大臣になったことです。
内閣府副大臣の職務権限は広範で強力です。
副大臣に就任後に沖縄のシンポジウムで講演した謝礼として200万円という破格の講演料の裏には、副大臣就任のお祝いの意味が込められたと見られ便宜供与と検察に見られるのも当然だと思います。
今後の捜査で、便宜供与の約束や実行まであれば、さらに事件が固くなり大物議員などの名前も登場するかも知れません。
秋元議員に接見した弁護士によると逮捕後も容疑を否認しているようです。
「元秘書がやったことで私は知らない」との主張は、例え事実であったとしても認められないように思います。
不正関与を否定する主張
午前10時に自身のフェイスブックとツイッターに「私は、不正には一切関与しておりません。そのことは、引き続き主張してまいります」と書き込んだあと、自民党に離党届を提出。
【年表】2016年から収賄容疑で逮捕まで
- 2016年9月:衆議院内閣委員長に就任。同年12月2日、「統合型リゾート整備推進法案」(カジノ法)の採決を強行して可決させた。
- 2017年5月:500.comの関係者が議員会館の事務所で面会し、「大都市のIRには大手のカジノ事業者が参入すると思うので地方のIRをねらいたい」と秋元議員に要望
- 2017年8月:第3次安倍第3次改造内閣で国土交通副大臣(観光立国の推進、航空行政、道路、港湾など担当)兼内閣府副大臣(IR担当)兼復興副大臣(地震、津波災害からの復興に関する事項の担当)に任命される。
- 2017年8月:500.comのCEO潘正明(パン・セイメイ)さんが沖縄で開催されたシンポジウムでスピーチ
- 2017年9月:シンポジウムの講演料として200万円を受け取ったとして収賄の疑い
- 2017年10月:第48回衆議院議員総選挙で東京15区から立候補、民進党から離党し希望の党に移った柿沢に3万票もの差をつけ小選挙区から3選。
- 2019年12月:収賄容疑で逮捕
12月25日早朝、全国紙の記者の携帯電話に電話をかけ「はした金はもらわねえよ。あり得ねえよ。ほんとばかたれ」「1億、2億なら別だが俺は正面から堂々ともらうんだから」「地検ははしゃぎすぎだ。こんなことで身柄拘束しやがって。徹底して戦ってくるわ」と身の潔白について自信の程を見せていたようです。
引用元:WIKI
秋元議員は、衆議院内閣委員長に就任後、すぐにカジノ法の採決を可決させた行動力はスゴイと思います。
その1年後には内閣府副大臣になり、カジノIRの実権を握ったところでの今回の逮捕は、出る杭は打たれる的な標的になった感じがします。
まとめ
500.comが本格的にオンラインカジノに進出したのが2017年です。
たった3年でオンラインカジノ事業の収益が全体の80%以上とは、オンカジの破壊力は凄まじいですね。
さらに、中国国有企業化したと言っても過言じゃない500.comを使って日本のカジノIRに参入しようとするしたたかさには舌を巻きます。
また、マカオ政府のカジノ事業者との攻防にも今後目が離せないストーリーがあります。
それにしても中国のしたたかな戦略に翻弄される日本という構図が寂しい気がしますね。